コロナに動じないパーマカルチャーという生き方

この記事は、パーマカルチャー研究所のメルマガ読者ナムプさんによる寄稿記事です。
ナムプさんはタイのバンコクに在住の日本人で、このたび、パーマカルチャー研究所の原点でもあるパーマカルチャー・ファーム、サハイナンに滞在してこられたということで、その体験レポートを書いていただきました。

はじめまして、ナムプと申します。
ナムプはタイでのニックネームです。
2020年前代未聞のコロナ危機で、世の中何がどう変わるか分からない、と実感。
「ずっと気になっていたパーマカルチャーが、今後の新しい生き方の指針になるのでは」
と思い、タイ・ナーン県のサハイナンへ行って参りました。
その体験レポートを書かせて頂きます。
少しでも興味のある方が、何かしてみようと思うきっかけになりましたら嬉しいです。

1.パーマカルチャーはハードルが高い?

2020年のコロナ危機、タイ在住の私は、ここバンコクでもロックダウンを経験し、スーパーでの買い物は出来るものの、飲食店は店内飲食禁止、学校やデパート・娯楽施設の閉鎖、在宅勤務の実施等、都市生活の楽しみや利便性の多くが奪われました。


お金があっても農家さんが食糧を売ってくれなかったら・・
公共のインフラもストップしたら・・
都市生活の弱さをひしひしと感じていました。


学生時代から、環境問題や、食の安全、農業・農薬の利権問題等に興味があり、解決策のひとつとしてパーマカルチャーという言葉だけは知っていましたが、“パーマカルチャーは俗世と離れたサバイバル生活のイメージ・・・実践するにはハードルが高い”
しかし、お金を介さず、自分たちで衣食住を創造出来る方が、外部に依存せず豊かに生きられるのでは?とパーマカルチャー実践の思いが強くなりました。

2.なぜサハイナンへ?

タイでパーマカルチャーを検索すると、10件程見つかりました。
2週間のがっつり本格コースや、日程が決められたワークショップ形式の開催が多かったのですが、仕事の休暇を考慮し、自分の日程に合わせてボランティアで滞在出来るサハイナンに行く事に決めました。また、三栗さんがブログやメルマガでサハイナンの事を紹介されており、事前に情報が得られたので、現地でのイメージが湧き、「私も行って、経験してみたい」と行動するきっかけになりました。

3.事前に知識や技術は必要?

3泊4日の短期間でしたが、サハイナンのサンドットさんご家族と一緒に生活し、本当に多くの体験をさせてくださいました。
世界はコロナ渦中という事で、海外からの訪問者はおらず、外部からは私一人のみでした。
ボランティアで申し込みしたものの、農業やパーマカルチャーの知識や経験もないし、ボランティアというからには何かお役に立てる事をせねば・・と少々不安でしたが、いざ行ってみるとキッチンでの調理や食器洗い、食材の収穫や稲刈り等、お手伝いさせて頂く事がたくさんあり、考える暇もなく手足を動かすのみ!でした。

4.サハイナンでの一日

ニワトリの声と共に起床、さっそく朝食で頂くハーブやお野菜の収穫。

山からの自然の水を濾過した水と、炭火で調理したお食事は本当に絶品!

これぞ本格的な自然調理!

手作りのバナナケーキ

朝食が終わると、家族で森に入り生活で使う薪や竹を集め

イチジクの収穫、

子ども達は木に上りパッションフルーツを収穫、広大なファームで切り倒したバナナの木を運び

収穫したパッションフルーツとバナナで、ノンシュガーのパイ作り。

昼食が終わると、販売用のジャム作りや、

夕方には稲刈りに。

自然豊かな農村でのパーマカルチャーは、スローライフで時間の流れがゆったり・・

いやいや、自給自足生活は忙しく体力勝負!日頃のバンコクでの都市生活は、働いて得たお金で、食材や水・電気を買い、家賃を払い、お金が介在する生活ですが、今回身をもってお金の為ではなく、まさに生きるための労働を体験しました。

5.サハイナンでの暮らし

三栗さんご家族が建てられたオープンエアのバンブーハウスで就寝。

布団を敷いて、蚊帳を付けてもらい一人で寝ました。初日は森の暗闇の中、虫や蛙達の大合唱をBGMに、時々何かの生き物の動く音にドキっとしながら一人で寝るのは怖かったですが、猫ちゃんが遊びに来てくれてホッと安心しました。

怖いのは初日だけ、2日目以降は外の風や自然の音が心地よく、気持ちよく爆睡。

トイレではティッシュペーパーは使わず、水洗い。

サハイナンで購入したオーガニック石鹸1個で、髪から顔も体も丸洗い。山からの自然の水を使用しているからなのか?髪も肌もコンディションが抜群に良い!世の中にはシャンプー、コンディショナー、ボディーソープ等用途別に販売されているけど、本来こんなに必要ないと実感。

冷蔵庫もないので、食べたい時に食べる分だけ畑から収穫、これぞ本物のFarm to table. 生ゴミや米の研ぎ汁でさえ、ニワトリのエサに。

買って消費しない生活は、こんなにゴミが出ないものかと、大変心地が良かったです。

6.パーマカルチャー生活に現金収入は不要?

パーマカルチャーを実践していれば、現金は不要なのか?というとそうでもなく、ニワトリを買ったり、車のガソリン代、水源のパイプ修繕、調味料の購入等、多少の現金は必要。それでも、バンコクでの生活費の1/5以下くらいのイメージに感じました。

最近はFacebookで、手作りジャムや調味料、オーガニックのお米、竹のカップ等の販売をされているそうです。

私が訪問した時は、ニワトリが年老いてあまり卵を産まなくなった、との事で、自家で取れたお野菜や果物と引き換えに、近所の方と卵を物々交換されていました。

病気になったら・・?と多少の心配はありそうですが、朝は日が出たら起き、日が沈んだら寝る、無農薬で山からミネラルたっぷりのお水で育てられたお野菜や、森の薬とも言えるタイハーブたっぷりの食事。

ジムに通わなくても、森や畑の収穫で十分体も動かし、家族で笑顔で幸せに生活していたら病気とはほど遠い様に感じました。

実際、サンドットさんも昔は消化器系の問題があったそうですが、畑で取れた生ウコンを食べ続けたら治ったとの事。

7.子ども達からの学び

サハイナンの子ども達は本当にたくましい!

5歳のジョンジョン君は、既にタイ語だけでなく、英語と中国語も堪能。外国人のボランティアも多く、英語を話す機会が多いそうです。彼がファームの案内を全部英語で説明してくれました。(案内の途中で、ここで病院ゴッコをしよう、次はあっちで警察ゴッコをしよう、と立寄りながら、子どもらしく可愛かったです)

3歳のチャイチャイ君も大人でも少々きつい山道を2時間自分の足で歩き、時には転びながらも泣かずに立ち上がる。お母さんのShenさん云く、都会のアスファルトと違って、地面が土なのでさほど痛くないそう。また子どもの体幹を鍛えるのに、山道は良いそうです。

高い木に上り果物を収穫し、どれが食べ時かも分かっている。薪を切って調理の火も起こせるし、自然にあるものを何でもおもちゃにして遊べるし、生きる知恵をすでに習得している!とびっくりしました。森や畑、自然と共存する生活から自ら学び吸収している。子どもがいたら学校もあるし、森の中でパーマカルチャー生活は難しいかも?と思っていましたが、大自然と実生活から学び、外部から色んな訪問者を受け入れ出来れば社会性や語学力も身につけられると感じました。

8.小さな行動で十分

滞在中、Shenさんとキッチンに立つ事が多かった私は、環境問題や農業、農薬の利権問題、教育など、色んな会話をし、このタイの山奥で心から考え方に共有出来る方と出会えて本当に感激しました。

Shenさん云く 

「私も学生時代は世界を変えたいと思っていた、でも今は違う。小さな行動で良い、一人一人が少しでも変われば良い」

と。

今後は、同じ様にパーマカルチャーに取り組んでいる人や、オーガニック農業をやっている人達とコミュニティーを作って行きたいとの事でした。

9.バンコクに戻り・・

またいつもの都市生活に戻りましたが、日常の小さな事を楽しみながら生活しています。

極力ペットボトルの水は買わず、マイボトルを持って行く。過剰梱包のスーパーの野菜ではなく、オーガニックショップで量り売りの野菜を食べる分だけ購入。Shenさんから教わった米粉を使った料理や、Shenさんお手製のサンバルソースを買って帰ったので、焼飯や、色んな料理に応用して自炊を楽しんでいます。

また、サンドットさんのご友人からナーン県のコーヒー豆を購入。毎朝豆を挽いてマイ水筒にコーヒーを入れて出社。通勤途中に買っていたコーヒーを止めました。

日常生活からゴミの量が減るだけでも、目に見えて分かる成果なので気持ちが良いです。

現在、自家菜園を出来る土地を探しています。日本だと、月額のレンタル農園をよく見かけますが、まだバンコク近郊では見つけられず・・。

将来的には空気の綺麗な所でパーマカルチャーを実践したいので、最適な場所を探索中です。

10.さいごに・・

サハイナンでの経験は、パーマカルチャーがもたらす本当に豊かな生活の確証を得る事が出来ました。森から水や収穫物は近所の方と分け合い、ちゃんと地域の繋がりもある。俗世から離れた・・なんて思っていましたが、確かに都会の娯楽がないだけで、人・家族の繋がりはしっかりある。今はSNS もあるので、世界中から来た滞在者との繋がりもある。

サハイナンと同じ事をすぐやろうとするとハードルは高いですが、サハイナンでさえ何年もかけて今のような豊かな環境を作り上げてこられた。

まずは今出来る事、小さな事から少しずつ、焦らず始めて行けば良いと感じています。

サハイナン体験記 第一部〜なぜサハイナンへ?

2020.03.06

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