冷蔵庫なし生活で得た知恵💡

1.冷蔵庫なし生活も7年目。

何度か記事にも登場してますが、我が家は冷蔵庫なし生活を7年以上やっています。

初めは省エネをしたくて始めたこんな暮らしですが、徐々に、それが楽しくなって、いつの間にやら、ないのが当たり前になっていました。

もちろん、今でもあったら便利だろうなあとは思うのです。

常備菜もストックして置けるし、鹿肉も冷凍して置いて好きな時に食べらるし、瓶詰めにできないカボチャなんかもペーストにして冷凍しちゃえば、一気に加工できて楽ちんだなあと思います😉

でも、やっぱり冷蔵庫を持たないのは、なんでだろう?

って、最近考えてでた答えは

「ない方が面白いから🤣。」

でした、笑。

2.冷蔵庫が「あるといいな。」ではなく、「元々ないものだ」と考えるように。

いつの間にやら、そんな発想になっていたんですよね。

「地球にやさしい」を意識し始めてしばらくは、ラップは石油製品だからと蜜蝋ラップを使ってみたり、使い方が限定されがちな100円ショップでの商品を買うのをやめて、もう少し多様性のあるものに買い替えたり、

「便利な暮らしを続けつつ、その代わりになるエコなもの」

を探していたんですよね。

でも、タイのジャングルで、ライフラインのない暮らしをしてハッとしたんです。
今まで便利に使ってきたあれこれは、そもそも、ここでは、「ないことが前提」だったんです。

朝から薪でご飯を作る。
道具も最低限の暮らしでした。
村の学校に行く息子に持たせるお弁当。
旅に出る時にお箸とタッパーを持っていくのでそれで、大方をこなします。
あとは、バナナの葉なども利用。

ラップも冷蔵庫も、自由に使える車も、夜の灯りですらヘッドライトひとつだったので、自分の目の前を照らすことが精一杯。

明かりすら自由に使えない、そう、「夜は暗いこと」が前提の暮らしだったんです。

でもね。。
便利な時代に生まれてきた私でも、そこに身を置いてみたら、ないことが前提の暮らしをすることができたんです。

自分にびっくりすると同時に面白かった。

ずっと、これを作りたいけど、ここではどうしたらいいんだろう。。

って思考し続けると、いつも自分のアンテナが光るようになり、そのヒントが見えてくるんです。
もちろん、そのヒントを見つけるのにすごく時間がかかることもあるけど、どこかに必ずヒントがある。

「人が生きていく事を助ける最低限の物が、たくさん自然の中に存在しているということ」

も、

「今あるものをいろんな角度からみたり、他の人のお知恵を拝借したりしたら、いろんなアイデアが生まれてくること」

も、急がずに考え続けていく事で、どこかに答えがあるんですよね。

その発想が冷蔵庫なし生活を続けていく力をくれたんだと思っています。

家を建てるのに使う竹を取りに。
みんなの森に取りに行きます。
「みんなの」森です。
他の人が困らないように必要なだけを分けてもらうこと。
自分だけが手前から取らないようにすること。。

3.続けていくことの先に発見があった。

冷蔵庫なし生活を何年も続けていくことの面白さは、

「ないことを受け入れる」経験が深まっていくにつれ、いろんな知恵に出会えるということ。

「(冷蔵庫が)ない中で、この時代にどうやって暮らしていこう?」
と考えた先に、保存食、発酵食品の意味が見えてきたんです。。

昔は保存する手段がなかったから、こうした知恵を使って生きてきた先人がいたんだと、リアルに想像できた時は、ほんとにびっくりしました。

頭ではわかっていたはずなのに、こうして生き抜くために、先人たちが使っていた知恵だったんだと深い部分で納得したんですね。

それを、目に入った情報ではなく、身体の実感として自分の引き出しに収めると、私自身のその知恵の使い方が変わってきたんです。

「続けた先に見えたものの一つ」なのだと思います。

発酵食は身体にいいものとして流行っていますが、我が家は生きていくために必要なので、昔の人の暮らし方を想像しながら、取り入れています。

玄米漬け。
2月半ばに入ると雪は深くとも、日差しは春に向かい始めます。
乳酸発酵が進み始めるので、保存を続けるのが難しくなってくる時期。

で、本気で麹の作り方や、お漬物の作り方、塩漬け保存の仕方などを学んでみたら、日本の文化、気候、人の気質などが見えてきて興味深いと同時に、災害時の知恵としても、昨今の、値上がり事情にも、少なからず対応させることができ、自分自身の安心材料の一つになったんです。

続けていく中で、こんな時代の最中、自分の力で、自分の暮らしを安心して営むために「身の丈でできることがある」ということも実感できたんですね。

2018年の胆振地震後。
信号が止まり、食糧に共有が止まりました。
(見にくくてごめんなさい。)
幸いなことに我が家は水がありました。
この2日ほど前に、我が家に電気を通したのですが、また電気のない暮らしに戻りました。
最小限のエネルギーで雑炊を炊いてみんなで食べ(身体も温まります)、
太陽光で得た電球一つでしばらくを暮らしました。

こんな暮らしを既に経験していた我が家には心の余裕が幾らかでもありました。
最低限暮らせたから、我が家は最後でいい、必要なところに電気の供給を、と祈る余裕があったんです。


お味噌を作るために麹を作る、大豆を作る。
その知恵はそんなにすぐ身につけられるものではないので、私たちは今でもずっと、少しずつ自分の知恵に変えていっています。

北国なので冬野菜を保存する。
冬中の家族の野菜をつくることですら、私たちはまだまだ知恵が足りません。
それもじっくり身体で学びながら身につけています。

うまく言葉では言えませんが、食べ物を得られること、家を守れること、着るものを生み出せること。。
それは、「腹の奥底での安心感」になっているようで、本当に楽しいしうれしい。

水道管の凍結やら、雨漏りやらいろんなことがあるけれど、今まで作り上げてきた暮らしがあるから、どこかで自分で直せるよね、という希望を持てるようになってきたんです。

便利なものの代わりを探す習慣がなくなったら、欲しいものが減り始めました。
食べ物は毎年得る必要がありますが、そのほかの物質はもう十分にある気がしてきたのです。

欲しいものはきりがないことも目に見えてきたので、必要以上に情報を集めることもしなくなってきました。

可愛いもの、美味しそうなものをみたら欲しくなっちゃいますから😆(でも日本人は美味しいものを作るセンスにたけてるからキリがなくって、笑)

4.冷蔵庫なし生活で身につけた知恵。

そうそう、よく
「北海道は寒いからやりやすいよねー、きっと。冬なんて外に出しておけばいいし。」
なんて言葉もありますが、逆に寒すぎて、外に出すと凍っちゃうか割れちゃうかって問題かもあるんですね、笑。

私もそれは、思ってました。
でも実際にやってみて、冷凍してもオッケーなものでしたら、それでいいのですが、氷点下まで落ち込む時期、そうでない時期を想定して、季節に応じた対応が必要にはなってきます。

何でもかんでも冷凍になってしまっては、解凍に時間がかかり、結構面倒くさかったりします。。笑。
瓶なども割れてしまいますしね。

沖縄よりはもちろんやりやすいかもしれません。笑。
でもやっぱり暖かい時期は、自分の感覚で保存状態を見極める力をつける必要がありますし、それなりに試行錯誤は必要でした😆

そんなわけでここ数年は、夏も冬も殆どおんなじように暮らしています、笑。

保存は季節に応じて異なりますが、リアルなことを挙げてみますね。

5.我が家の食糧の保存方法

5−1.雪が溶け、夏に向かっていく季節(6ヶ月)

この時期は畑や山が冷蔵庫代わりです。
食糧は畑(→野菜)や山(→山菜など)にとりにいきます。

お肉やお魚などは食べたい日に買いに行きますし、急遽頂いた時は、その日に処理をします。
お魚などは火を通しておけば2日くらい持つので、半分は火を通し、半分は塩を強めにしてシャケフレークなどにして保存しておきます。

秋になる頃、、トマトは瓶詰めに、きゅうりやナスは、塩漬けに。
ハーブ類や、瓶詰めにできないカボチャなどは乾燥させて保存する準備を始めます。

9月あたりから薪ストーブに火が入ります。
山の天気は不安定なので、ストーブを使い始める頃の方が干しやすいんです。

5−2.雪の季節(6ヶ月)

お野菜は室と土の中に保存します。
冬になって数ヶ月は室に取りに行き、雪が溶け始めた頃、雪下保存を開封します。

それともう一つ、お漬物に。
キムチ、玄米漬け、ニシン漬け、飯寿司、味噌粕漬けなどなど、まとめてお漬物にすることで凍れて(しばれて。凍結して、という意味。多分、北海道弁)野菜をダメにすることを防ぎます。

ようやっと美味しくつけれるようになった玄米漬け。

秋口に塩漬けした夏野菜も、塩抜きして今度はお漬物の本漬けに加工。
野菜は一旦凍らせると、解凍後、腐っていきますから、この方法は本当に知恵が詰まってるなあと毎年感動しちゃいます。

乳酸発酵、酵母の活躍により、身体のメンテもしてくれる優れものです。

キムチも乳酸発酵。
冬の間の瓶詰め保存庫。
みんな先人の知恵から分けていただいたものです。

お味噌も冬に向けて乾かした大豆を、いい状態で加工していく知恵。
お米が豊かだった土地は米味噌が、お米の収量が少なかった土地は麦も麹にして、麦麹が、お豆がよく取れた地域は豆味噌の文化が今でも残っています。

本当に素晴らしい知恵ですよね。
それを知るたびに、私はワクワクしてしまいます😆

ちなみにお肉は1月から2月の半ばまでは、外の箱に置いて(野生動物を呼んでしまったらかわいそうなので、動物に匂いを嗅がれないような箱にする配慮をしつつ)冷凍できますが、お魚は気温が上がる日を挟むと匂いが出るので、基本的には室内保存が前提。

火を入れて涼しいところに置いて塩を使い早めにいただくか、お肉はジャーキーも作りましたよ。

全体的にこんな風に暮らしています。

せっかく北国で育ってくれたウコンと生姜が凍(しば)れてしまったんです。
まだ凍れてるうちにスライスして、乾燥させ、ミルにかければ問題なく使えます。
一度溶けちゃうと味が落ちちゃうので、観察と臨機応変で対応します。


自分で作る暮らしは、おもしろくて、シンプルな食卓でも楽しいです。
雪したから野菜を掘ってきたあたりは、食材が増えて子どもたちも大喜びでみんなで色々作るたのしみも生まれたりします。笑。

一年に一つずつの知恵。
今年は飯寿司を教えていただきました。
お料理の好きな息子、この日は学びの場を学校から、飯寿司作りに♪

美味しいご飯もいただいて、「飯寿司作りって楽しいね!」と言った息子。
そんな気持ちと共に学んだ息子はきっと、大きくなっても作り続けてくれるかな、なんて淡い気持ちを抱いています、笑。

次の世代に繋いでいく。。
そんな息子を見て改めて、そんな部分も心に留めながら暮らしを作っていきたいなと改めて思いましたよ。

食べ物を自給するというパーマカルチャー

2021年11月2日

暮らし。それ自体が、遊びでもあり、仕事でもあり、学びでもある。だから究極、暮らしていれば暮らしが回る。そんな「遊暮働学(ゆうぼどうがく)」のライフスタイルで生きています。遊暮働学の実現方法については、無料のメール講座で考え方をお伝えしています。興味のある方は、下のフォームからご登録ください。メールアドレスだけでもお読みいただけますよ。

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