パーマカルチャー研究所、設立から3年が経ち現在4年目。
遊暮働学を目指して色々活動してきたけど、簾舞の山暮らしを始めた今、
あらためて目的、目指す方向について整理してみようと思う。
目的を一言で言うと
一言で言うのは難しいし、色々なものを切り捨てなきゃいけないので
勇気がいるのだけど、思い切って書いてみる。
一言で言うと、
「遊暮働学によってエネルギー問題を解決する」
エネルギー問題の解決
大学3年生で、電力・エネルギー関連の研究室に配属された。
その時以来、自分の研究でエネルギー問題を解決したいという思いがわいた。
その思いは、それ以降約20年、一度も消えていない。
エネルギー問題は、石油資源枯渇問題、地球環境汚染、エネルギー戦争、
原発問題とか、現代のとても解決が難しい問題とも関連している。
人によって、エネルギー問題の捉え方は異なっている。
自分は、エネルギー問題を3E問題と捉えている。
3E問題とは、Economy(経済)、Environment(環境)、Energy(エネルギーの確保)
の3つの頭文字をとったもの。
これらは一つをとると、ほかの二つが犠牲になるという、
3つの矛盾と説明されている。
わかりやすい例が現代社会で、経済を優先させるあまり、
環境やエネルギーの確保が疎かになっている。
そんな難しい問題だけど、自分の研究でエネルギー問題を解決したいと、
大学院卒業後は、大手電力会社に就職した。
そこでは、省エネにつながる研究をすることはできたものの、
電力会社の使命は、需要(使用量)を上回る供給力(発電量)を何が何でも確保すること。
とすると、需要がある限り、電力会社では抜本的な解決は難しい。
需要とは、つまりは、暮らしで使われるエネルギー。
暮らしが変わらないと、エネルギー問題の解決は難しいのではないか、そう感じ始めていた。
そして2011年には、あの原発事故が発生する。
その1年後、色々な理由から電力会社を辞職した。
タイのパーマカルチャーファームでの暮らし
2013年、たまたま訪れたタイのサンドットさんのファームで受けた衝撃。
その衝撃とは、このファームは、既にエネルギー問題を解決している!
このファームでは、竹や木などの自然素材で家を自作している。
水道も、手掘りで掘った井戸を、電動ポンプで汲み上げて使うシステムを自作している。
その電力は、太陽光発電。
そしてそのファームに滞在している人たちは、
あまり働きすぎることなく、ゆったりとした時間を過ごしている。
バックミュージックが太陽光発電で充電された電子機器から流れているのも、
伝統的なジャングル暮らしと、現代的なテクノロジーの融合を感じさせ、
何とも言えない穏やかな気持ちを感じた。
ここでは、ほとんどを自分たちで作り上げ、しかもそれほど不便でもない
便利な暮らしを、外部からのエネルギーに頼らず作り上げている。
そうか、エネルギー問題は、単にエネルギーの問題でなく、暮らしの問題なんだ!
このとき、そのことがはっきりと自分の感覚として得られた。
そしてこの時、初めて聞いた言葉。
「ここでは、パーマカルチャーを実践しているんだよ」と。
エネルギー問題を解決するのは、パーマカルチャーだ!
![](https://permaculture-lab.com/wordpress/wp-content/uploads/2018/09/IMG_5055.jpg)
遊暮働学を目指して
その2年後、ずっと行きたいと思っていた、そのサンドットさんの
パーマカルチャーファームに2か月半、家族で長期滞在した。
そこでは、家づくり、畑づくり、水道の修理、竹細工、太陽光発電など、
暮らしを自ら作り出すという、毎日だった。
サンドットさんが言う。
「普通は、何年もかけて一生懸命働いたお金で家を買うだろう?
ここでは、3週間で、自分たちで作っちゃうんだよ。ハハハ。」
家づくりを例にしてみれば、住む家を作ることは、まさに暮らしそのもの。
家を作るということは、仕事でもある。
ただ自分は、ここでの家づくりは、遊び感覚でやっていた。
さらに自ら考えながら作ることで、家づくりを学んでもいた。
![](https://permaculture-lab.com/wordpress/wp-content/uploads/2018/09/IMG_4707.jpg)
つまり、暮らしそのものが仕事でもあり、遊びでもあり、学びでもあった。
そんな暮らしが、エネルギー問題を解決できるのでは?
帰国後、この考えを一言で表そうと、「遊暮働学」という言葉で表現することにした。
暮らし自体が遊びで学びで仕事、だから究極的には、
暮らしていれば、暮らしが回る、そんなライフスタイルを目指そう!
遊暮働学は働き方の問題も解決できる
電力会社の後は2年間、高専の教員として仕事をした。
電力会社、高専、それぞれにメンタルが不調になって、
相当につらい時期があった。
でもその頃は、生きていくにはお金が必要、ここで働けなくなったら
どこに行っても働けない、すなわちそれは、死を意味する、
そんな考えの元、メンタル不調でも無理やり職場に行こうともがいていた。
でも今は、そんな過去の自分に教えてあげたい。
遊暮働学という生き方があるよ、と。
勤めて得たお金で暮らしを作る方法もあるけど、
それが難しければ、暮らしそのものを作り出すという生き方もあるよと。
遊暮働学でエネルギー問題解決
タイのサンドットさんのパーマカルチャーファームでは、
小規模ながら、エネルギー問題を解決していた。
そして自分はそれに感銘を受け、今、簾舞での山暮らしにより、
そのパーマカルチャーファームでの暮らしに近い暮らしをしている。
それは、ごく小規模ながら、エネルギー問題解決の方向に向かっていると考えている。
ぼくがタイで感銘を受けてそれを目指したように、
誰かがパーマカルチャー研究所を見て、何かしらを感じ取って、
その人の暮らしを少しでもエネルギー問題解決の方向に向かってくれればよい。
今後は少しずつ、国内・海外にも仲間を増やしながら、
楽しく、緩やかに、エネルギー問題解決に向かっていきたい。
そのためには仲間が必要です。
パーマカルチャー研究所では、遊暮働学で自立的暮らし無料メルマガを、
配信しています。
これは、その仲間づくりの意味も込めて、自分が経験してきた価値観を、
少しずつ丁寧にかみ砕いて説明しています。
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