発酵器まで自作!手作り納豆を作ってみました


この記事は、パーマカルチャー研究所のメルマガ読者ミヤオさんによる寄稿記事です。
ミヤオさんはこのたび、発酵器を自作、それを使って納豆を作られたということで、その様子をレポートしていただきました。

はじめまして。
ミヤオキョウスケと申します。
妻とこども二人(娘6才、息子3才)、犬一匹とともに、埼玉県から群馬県に移住し、妻の故祖母宅を改修して暮らしています。

今回はパーマカルチャー研究所の三栗祐己さんのブログ記事を参考に、納豆をDIYしてみようと思います!

1.納豆DIYのいきさつ

みなさんには「やってみたいなあ。でもなかなか腰が上がらないなあ。」ということはありますか?
僕にはたくさんあります。
そのうちの一つが「コンポストをつかった生ゴミ削減」でした。

生ゴミはその約90%が水分なのだそうです。
これをゴミとして処理するとなると、数々のコストがかかります。(ゴミ捨てのためのビニール袋の製造コスト、運搬コスト、処理場での焼却コスト、など)
しかし、コンポストによって生ゴミを堆肥にすることで、それは資源へと生まれ変わり、僕たちが食べる野菜や果物などへと循環させることができます。

やらないよりはやったほうがいいよね。
でも、何から始めればいいの?
堆肥をつくっても農地を持っていない僕たちはどこに持っていけばいいの?
そんな考えたちが無意識的なブロックとなり、アクションを起こせずにいました。

そんななか、僕の妻が主催する「古民家ワークショップ」でコンポスト勉強会が開催されることとなりました。
先生をお招きし、環境のこと、菌のこと、そして循環のこと、などなどを懇切丁寧にお教えいただきました。

※蛇足ですが、我が家を会場にしていろいろなワークショップや勉強会を定期的に行っています。妻が運営するウェブサイトにて開催の様子やスケジュールを見ることができます。よければこちらもご覧ください^^
https://thinking-kazuking.com/

さて、きっかけがあると動き出せるもので、勉強会の当日から我が家でもダンボールでのコンポスト生活をはじめることができました。
すると、排出する生ゴミの量が目に見えて減り、週に2回出していた可燃ゴミが週1回に減りました。とても気持ちがいいです。
開始から1週間ほどすると菌の活動による土の温もりも感じ、愛着を持って毎日コンポストと付き合っています。

そんな中、新たな問題が浮き彫りになりました。それが、「納豆パックゴミ問題」です。
いつも美味しくいただいている納豆。
生産者の方々、ほんとうにありがとうございます。
ただ、いつもパックのゴミがかさんでしまうことはとても気になっていました。
ましてやゴミが減ってきた今、余計に気になる。
そこで、納豆を自宅でつくることにしました。
そして僕はDIYが趣味なので、パーマカルチャー研究所のブログ記事を参考に、発酵機の自作にも挑戦することにしました。

材料費たったの5,800円!DIY発酵器の作り方

2020年1月24日

2.材料集め

揃えた材料と工具はつぎのとおりです。
今回の材料費はもろもろ込みで約3900円でした。

材料

  • サーモスタット: 1399円(Amazon)
  • 保温トレイ: 1300円(メルカリ)
  • 発泡スチロールの箱: 700円(ホームセンター)
  • ホワイトウッド材: 350円(ホームセンター)
  • 棒状端子: 162円(ホームセンター)

 
工具

  • 精密ドライバー(マイナス)
  • とんかち
  • ニッパー
  • ねじ

3.今回の最難関「サーモスタット」

ところで、僕には電気関係の知識はほとんどありません。
経験値としては、学校の授業で半田付けをしたことと、スピーカーケーブルの先端にプラグを取り付けたくらいです。
そんななか、サーモスタットへの配線はかなりの鬼門でした。
パーマカルチャー研究所のブログには「細かい配線方法は、サーモスタットの付属の説明書に書いてあります」とのこと。
ただ、説明書を見てもチンプンカンプン…

そこで、奥の手を発動させていただきました。
ブログ主であるゆうきさんにコンタクトを取り、直々にご指南いただけることになりました!
(その際わかったことなのですが、僕が購入した製品の説明書をブログ主であるゆうきさんに見ていただいたところ、当時の配線図とは違っており初心者にはわかりづらいものになっていたとのことでした。)

ご指南いただいた内容はとても有意義でした。
特に、電気工事の危険性に関してお話を伺えたことは大きかったです。
先述のとおり我が家にはこどもが二人いるのですが、今回の電気工事に潜む危険として次の事例を教えていただきました。

  1. 配線のために電源プラグがついたコードを切断する
  2. 作業者がその場を離れる
  3. こどもがコードの切れた電源プラグをコンセントに挿す
  4. コード切断部に触れる -> 感電!
  5. 体が倒れるなどした場合、コード切断部が体の下になって触れ続けることで感電し続ける -> 最悪の場合は死亡に至る…

…まじで怖いです。このような危険性を知ること、そして危険を遠ざける配慮・対策を怠らないことが電気工事を行うものには求められるのだと認識することができました。

ゆうきさんによるご指南をいただき、作業の流れを掴むことができました。それではいよいよ発酵機DIYスタート!

4.発酵機づくり

発酵機DIYは、基本的にゆうきさんによるブログ記事の再演となるため、さらっといきます。

まず、用意した発泡スチロール箱と納豆作りのための容器のサイズに合わせて、すのこを作ります。

つぎに、サーモスタットと保温トレイとの配線。
間違いのないよう、ウェブの情報も頼りに自分でも配線図を書きました。

切断した銅線は棒状形圧着端子というものをつかってまとめました。
このような製品があることを教えていただけたこともとてもありがたかったです。

やったー!配線完了!!

しかし、この後すぐに気がつきました。
「あれ?発泡スチロール箱に配線用の穴あけてなくね?このままじゃコードが蓋と干渉しちゃうジャン…」
ちーん。
泣く泣く配線を一部やり直しました。

これでいいはず。

いざ、通電!コンセントにプラグを差し込む。ドキドキ…
少し経つと、サーモスタットに温度表示が点灯!やったーーー!

蓋を閉めた試運転でも正常動作を確認。感無量でした。

5.納豆づくり

役者はそろった。
最後の納豆作りです。
ウェブ上の情報を頼りに実践してみました。

大豆を一晩浸水し、その後蒸します。(妻にやってもらいました、感謝!)

市販の納豆にお湯を加え、混ぜます。
こうすることで納豆菌を取り出せるとのこと。

蒸した大豆と納豆を容器に入れて混ぜたら、自作の愛しのDIY発酵機にセット。

サーモスタットの設定温度は39℃にして発酵スタート。
実温度は37.5℃〜41.7℃の幅で推移していました。

発酵開始から20時間後、経過観察しました。
納豆菌があたらしい大豆にまわってきていることが確認できました。
容器の底が水っぽいかな?

発酵開始から24時間後、容器を取り出し、粗熱をとった後、冷蔵庫に入れて発酵を続けて、完成です!!

6.実食

さあ、冷蔵庫に入れて16時間後、ついに待望の実食です!
糸引きは…ちょっとしてます。

醤油とまぜて、ごはんに乗せて。
ビジュアルは完璧サイコー!早く食べたい!!

いただきまーす!
味は…
うん!納豆というか硬めの煮豆!!風味も若干あるのみ!
家族からも

「これは納豆じゃないね」
「(「納豆食べる?」と娘に聞いたら)煮豆はいらなーい」

という手厳しい評価。

さらに4日ほど寝かせても見ましたが、さほど味に変化はありませんでした。
満足の味には程遠い、ほろ苦いデビューとなりました…

チャレンジに失敗はつきものですね!
(もうすこし下調べを入念にすれば避けられた失敗だったかもしれませんが、発酵機を早く使いたくてそれどころではありませんでした笑)

納豆に関する敗因をつぎのように考えています。

  • 水分が多く残った -> 発酵機による発酵中、容器が密閉状態になっていたので飛ばすべき水分が飛べなかった
  • 納豆菌が回りきっていない -> もうすこし発酵機内の温度を高めにしてあげてもよさそう(次回は最低ラインを39℃くらいに設定してみるつもり)
  • 納豆が硬い -> 大豆の蒸し(茹で)が足りなかった

次につながる情報を得ることができたので、次回の納豆作りがいまから待ち遠しいです。

7.まとめ

僕にとって今回のDIYは、まさしく「遊暮働学(ゆうぼどうがく)」でした。

DIY作業は楽しい「遊び」。
食料をつくるという「暮らし」。
いままで外部に頼っていた納豆作りを自分でやるという「仕事」。
電気工事や発酵に関する「学び」。

大好きな納豆を試行錯誤しながら作り続けることができるようになり、また納豆パックゴミを減らすこともできるようになったことにもとても満足しています。なにより、自分が作った発酵機が稼働している様子を眺めるのが僕は大好きです。
「遊暮働学」ライフはほんとにいいこと尽くしです。

今後も、自分が興味を持ったり、変えたいなと思ったことなどに、自分自身が楽しく関わって「遊暮働学」な時間をもっと増やしていきたいと思っています。

手作り発酵器で作った糀を使って味噌を仕込みました

2018年12月18日

キョウスケさん、ステキな遊暮働学ライフをご紹介いただき、ありがとうございました。
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