具合の悪い人の家にみんなで押し掛ける、タイの驚愕のお見舞い文化

2016年度、タイのパーマカルチャーファーム、サハイナンでの滞在。
この日は、具合の悪いサンドットさんのお友達のお見舞いについていきましたが、
文化の違いに驚き、日本人の考え方について考えるきっかけとなりました。

今日は土曜日なのでサタデーマーケット。
だけど、みんなで建築中の我が家のために、山から木を切り倒して
運ぶかもしれない、ということで、午前中は出かけずにサハイナンに滞在することに。
 
で、午前中にやっていたことは、ノコギリの刃を研ぐこと。
ノコギリの刃は、交互に右向きの刃と左向きの刃が並んでいる。
1つ1つの刃は、山型、三角形だ。
それを、細い三角柱型のヤスリをあてて山の右側と左側を研ぐ。
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このノコギリ、長さが1メートル近くあるデカいものなので、
その刃を一枚一枚研ぐのはけっこう気が遠くなる作業だ。
 
そして、研ぎ終わっても終わりではない。
ノコギリの刃は、右側の刃は右側に、左側の刃は左側に、わずかに傾いている。
これによって、切り口がやや太くなるのでノコギリがスムーズに切り口に入っていく。
しかし使っていると、この刃が中央に寄ってきてしまう。
すると切り口とノコギリの刃の厚みが同じになって、
切っていると途中で刃の面の摩擦でノコギリが動きにくくなってしまう。
そうならないために、刃の一枚一枚を、左右にわずかに傾ける必要がある。
そこで刃の一枚一枚に釘の頭をあてて、上から軽く叩くことを全ての刃に対して行う。
結局全部で、1時間以上の作業となった。
ノコギリの刃を研ぐことができること自体知らなかったが、
無事、一応研げるようになりました。
サンドットさんが言うには、昔はこれは誰でもできる
当たり前の技術だったが、最近ではできる人が減ってきた。
メンテナンスの技術は非常に重要で、こういう技術を知らないと、
古くなるたびに買い続けなければならなくなるという。
全くその通りだと思う。

そして午後は、メンバー全員、車でサタデーマーケットへ。
今日はその途中、体調の悪い人に会う用があるらしく、
その人に薬を届けるとのこと。

街へ出る前に山に入って、その薬草を取りに行く。
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どこにどんな薬草があるかを、サハイナン以外の場所でも知っているサンドットさん。
ただの道ばたに見える場所に車を停めて、ロールプレイングゲームのように薬草をゲットする。
相変わらずすごすぎる。

その後はバナナ屋さんへ行ってバナナを買う。
自分はバナナが大好きで、タイではいつも1日に10本ぐらい食べる。

今回は、1本のバナナの木から採れるバナナ、全てを購入。
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写真手前の一番デカいのを丸ごと購入しました。
バナナ100本以上はついてるかな。
全部で20キロぐらいあって持つのが大変だけど、これでバナナ食べ放題だ。
うれしー!
これだけあって、たったの100バーツ。
タイの物価の安さに感謝の日々です。

そして途中、新しい滞在者をお迎えに。
彼女はフランス人で、昨年一緒にサハイナンに滞在して

一緒にパーマカルチャーコースを受講したクラスメイト。
うちらとすごく仲良くしてくれた人。
なんと今回、うちらがサハイナンに行くことを知って、フランスから会いにきてくれた。
超感動の再会。
一週間ほど滞在してくれるそう。
子どもたちも大喜び。

夕食は、サタデーマーケットで買ったおかずを持って、サンドットさんの友達のうちへ。
それぞれが買ったものを広げるとたちまち豪華な夕飯に。
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さて夕食後は、その体調のすぐれない人の家にお見舞いへ。
サンドットさんが家の中まで入って行く。

サンドットさん以外のぼくらは、体調悪い人の家に押しかけるのは申し訳ないので、
中へは入って行かずに、外で待っていた。
するとサンドットさんから、中に入っておいでとのお呼びがかかる。
え、体調悪い人の家にこんなに大勢の外国人(7人)が押しかけていいの?
恐る恐る入っていくと、10人ほどの人がいて、歓迎ムード。
どこまでも人にやさしくオープンなタイの人たち。
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聞くと、大勢の人たちの一部は村の人たちであり、

具合の悪い人の家には、村の色々な人が元気を与えに毎日(!)訪問するのだという。
そして具合の悪い人は、そんなお見舞いに来てくれた人と話をして元気をもらう
文化とのこと。
だからうちらがお見舞いに行っても、それほど違和感はないようだ。
ちなみに具合が悪いといっても、
その人はベッドの上に座って、見た感じは普通に話ができるぐらいの体調。
 
日本では、体調が悪くなると、ごく近い身内だけで世話をする。
体調の悪い人は、元気じゃない姿で色々な人にはあまり会いたくないと感じるし、
訪問する側も、体調悪いところを押しかけるのはなんだか申し訳ないと思ってしまい、
結果身内だけで隔離してしまいがちだ。
少なくとも自分はそういう発想だった。
それがここではこういう文化!
すごすぎる。
 
寝たきりになると(この人は見た感じ寝たきりではないけれど)、
病院や施設に隔離されてしまうというマイナスのイメージを持っていたけど、
こちらの文化だとそうではない。
色々な人が会いにきてくれる。
会う方も、あまりかしこまらずそのままの感じで自然に訪問者に接している。
これであれば、寝たきりになった時に社会から孤立してしまう恐れはなさそうだ。
体調悪い時に色々な人に来られたくないと自分は思ってしまうけど、
それは、どこか人に対してカッコつけたりかしこまったりする習慣があるからなのかな。
こちらの人は、そのままの姿で対応していた。
 
人に対しての距離が近いから、こういったことができるのだろうか。
しかも訪問したのは土曜の夜の7時という、普通は来客を受け付けなさそうな時間帯なのに。
とにかくカルチャーショックなできごとでした。

(この記事は、2017年1月21日のブログを再編集したものです。)

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