2016年度、タイのパーマカルチャーファーム、サハイナンでの滞在。
山から木や竹を切ってきて、それらの天然資材で家を建てますが、滞在日数、残り1週間。
サハイナンを離れるまでに屋根を完成させないと、建物自体が全て雨でダメになってしまう。
そんなプレッシャーの中、屋根づくりを進めていきます。
83日目~パスタパーティ!
最後の学校
来週はもうバンコクにいるので、今日で学校は最終日です。
週に一度の学校を楽しみにして、すっかりみんなとなじんでいた息子。
朝行って集まると、先生から息子にプレゼントが。
今までとった写真を編集してラミネートしてくれました。
その後さらに生徒一人一人からもお手紙が。
ありがとうございます。
授業時間は今日も遊びから。
まずは英語バージョンのだるまさんがころんだ。
うーん、超フリースタイル。
6歳から15歳の12人がこんな感じで学んでいるのです。
我々が想像する一般的な学校とは大違いで、教育とは何なのかを考えさせられます。
自主性が育ち学校や勉強が好きになりそうな反面、受験勉強はしなくてよいのかと心配になったり、しかしそもそも受験勉強は何のために必要なのかを考えさせられたリ。
さて今日の夜は、近くに住んで学校やコミュニティスペースを作ろうとしているフランス人が、うちら家族をパーティに招待してくれました。
彼らとは去年サハイナンで知り合って、一緒に開拓をした仲なので気心が知れているのです。
金曜日恒例の川遊びに行くと疲れてしまって夜を楽しめないので、今日は川へは行かずに早めに帰ってきました。
屋根づくり
今日は家族が手伝ってくれて写真もとってくれました。
そこで今日は写真のように、命綱をつけての作業をしました。
東電時代に電柱上りで使っていた安全帯ロープを思い出し、ロープをジーンズのベルト穴に通し、梁に結びつけてロープに体重をかけて両手が使えるようにしての作業です。
こうして今日は、屋根の片面全てが完成しました。
おめでと〜。
パスタパーティ
ガスがあれば、簡単に作れてしまうパスタも、薪を使って茹でるのはけっこう大変な作業(写真ではまだパスタができあがっていません)。
料理の上手な奥さんが作ってくれました。
ソースが2種類、バジルソースと彼女オリジナルのソース。
フランスから持ってきたというパルメザンチーズ。
本場のものはやっぱりウマい!
しかも最近導入した冷蔵庫でキンキンに冷えています。
学校などを作ることを想定しているためかなり大きな太陽光を導入しているので、冷蔵庫のような大きな電力が必要なものも動かせてしまうのです。
不思議なのは、気心が知れていると英語も通じやすいこと。
彼らとしゃべっていると、自分が英語が下手なことを忘れてしまうほどです。
英語の勉強でリスニングってあるけど、あれはかなり厳しい特殊な状況。
だって情報源が英語の音のみしかないから。
実際の英語を使う場面って、まず状況という情報源が先にある。
そしてよく知っている人であれば、その人に関する情報もある。
サハイナンで時を共に過ごしたので、彼らに関してはよく知っている。
彼らもうちらがどれぐらい英語ができないかを知っているので、それに合わせてしゃべってくれる。
その上で英語を話すので、かなり楽になる。
ここで接する多くのタイ人は、うちらがタイ語をほとんどしゃべれないことをおかまいなしでタイ語で話しかけてくれる。
だけどやさしさがあって表情や雰囲気といった情報もあり、なんとなく言っていることがわかることも多い。
そんな状況を経験すると、やっぱり心をかよいあわせようとすることが言語と同様に大事なんだなと思う。
向こうにも11歳の女の子がいてうちらの子どもと遊んでくれるので、子どもたちも存分に楽しめて大満足の、特別な夜でした。
86日目~遂に屋根ができたー!
屋根が完成!
今日も朝食前から作業です。
朝食前に1枚が終了。
最後は最も高くて足場が不安定な場所。
命づなのロープを移動のたびに何度もかけかえながら、緊張感の高い作業。
そして最後の一枚を。
かんせーい!
ものすごい達成感です。
これでとりあえずは、雨季にも家が雨に濡れる心配はなくなりました。
安心してサハイナンを離れられます。
よかったよかった。
ちなみにいつもこのアングルで写真を撮っていますが、一階もあります。
一階の床はまだできていませんが。
そしてこれは新築の屋根から今自分たちが住んでいる家を見た様子。
そしてこちらは逆に、今住んでいる家から新築の家を見た様子。
突如森の中に家が現れたかのような印象。
家族で川遊びへ
最近ずっと屋根ばかり作っていたので、今日は残り時間を家族タイムにすることに。
歩いて1時間のところにある川まで遊びに行きます。
この道とももうすぐお別れだなぁ。
と思っていたら逆ヒッチハイク!
目的地が全く一緒の車に乗せてもらえました。
ありがとうございます。
そして川遊び。
息子は1ヶ月ほど前に竹細工をしたときの森で作った竹の船を、浮かべたかったようです。
竹の船の上にカメラを乗せて動画を撮っています。
おもしろい!
そしてぼくのここでの楽しみは、屋台でのラーメン。
これも食べおさめだなー。
と思ってがっつりチリを入れました。
辛すぎて鼻水を垂らしながらの食べおさめになりました。
でも満足満足。
帰りはしっかり1時間の道のりを歩いて帰ってきました。
暑い中1時間歩くのも、もう慣れたかな。
やっぱり暑いけど。
トイレの詰まりを解消
実はまだ仕事があります。
誰かがうちの近くのトイレにトイレットペーパーか何かを詰まらせてしまったようで、ここ3日間ほど遠くのトイレを使わなければならなかったのです。
誰が詰まらせたかわからないけど、ここは近くに住んでいるうちが直さなければなりません。
しかし便所のスッポン(みんなこの道具のことなんて呼んでますか?)はサハイナンにはありません。
サンドットさんに相談すると、高いところから大量の水を一気に流せば押し出されて詰まりが解消するよとのこと。
試しに手おけで頭の上から水をかけてみますが、解消しない上に、トイレの水が跳ねてきそうでこの方法は断念しました。
そこで…
新築現場での足場組み経験を生かし、竹で足場を作ってトイレの上にのぼります。
そして大きなバケツを竹にひっかけておき、この中にホースで水を入れます。
このバケツ満タンになった水を、トイレの穴めがけてドシャーッ。
大量の水がはねますが、自分は安全圏。
そしてゴポポポッという音とともに、一発で詰まりが解消されました。
サンドットさんすげー!
ほんとに言った通りだったー。
嬉しくてサンドットさんに報告。
また新しい経験ができたねと言ってくれました。
確かに今回の詰まり解消は、大きな自信になりました。
だって家を建てて高所作業をする前は、トイレの上に自分で上るなんて発想はできなかったから。
それが自分で考えてできたことがうれしい。
まあ日本で詰まっても大量の水が跳ねるので同じ方法はできないんだけど。
これは床が土だからこそできる、サハイナンならではのやり方なのです。
食事中の方、失礼しました。
というわけで、2日を残して屋根が完成しました。
完成の喜びももちろんですが、もう屋根からの落下の恐怖と戦わなくて済むことにもホッとしたのでした。
(この記事は、2017年2月24日、27日のブログを再編集したものです。)
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