ライフラインを自作するタイのパーマカルチャー村

サンドットさん

タイのパーマカルチャーファーム、「サハイナン」での滞在。
初めて滞在したのは、2015年11月~2016年1月。
翌年、やはりもっとパーマカルチャーを実践的に学びたいと、
2016年12月~2017年2月の予定で、サハイナンに滞在することにしました。
その出発直前、ワクワクが高まってますw

これから行くタイのパーマカルチャー村はこんなところ

今日はトモエ幼稚園で、壮行会をやってもらいました。
スタッフさんが、みんなを集めてくれて私たち家族を前に出してくれて、
これから3か月間タイに行ってきますよと紹介してくださいました。

スタッフさんが「どんなところに行くんですか?」、
「そこでは、普段は何をして過ごすんですか?」と聞いてくれました。
しゃべりたいことがたくさんありましたが、小さい子もたくさんいるので、
なるべく短めに話すようにしました。
ほかにも、色々な人から同様の質問を受けますので、
改めて整理してお伝えしたいと思います。

行く場所

タイの田舎、バンコクからバスで11時間(!)走ってたどり着く、
ナーン県のトゥンチャンという町にある、
サンドットさんという人が運営するパーマカルチャー村「サハイナン」。
サンドットさんが山の中のジャングルを一人で開拓し、
その開拓した場所に世界中から旅行者を招いています。

旅行者は、3食宿付きで200バーツを支払います。
旅行者は格安で宿と食事を提供してもらえるかわりに、それ以外の時間は、
農作業をして自分たちの食べる作物を作ったり、
旅行者をもっと受け入れられるように竹や木で家を作ったりと、
そのコミュニティの開拓を手伝います。
世界から旅行者がくるので基本的にそのコミュニティでは英語でしゃべります。

一日の流れ

太陽とともに生活をします。
5時半に起床し、ガーデンへの水まきや朝食づくりをして、7時ごろ朝食タイムです。
朝食後は掃除や洗濯をして、9時頃からその日の仕事をします。
仕事は、食事の準備、農作業、建築、井戸掘り、
太陽光発電の設置・メンテナンスなど、色々あります。
仕事は基本的に暮らしに関わることであって、お金を稼ぐことではない、
というのが一つのポイントだと思います。

12時に昼食をとった後は長い昼休み。
この時間は暑すぎるので14時までは休憩です。

その後は午前と同様、色々な仕事をして、17時半ごろに夕食です。
夕食をとり終わったあとはたき火を囲んで話をしたりして過ごします。
我が家は子どもを早く寝かせたいので、18時半ごろには自分たちの家に戻って寝る準備です。

シャワーは水シャワー。
これは夜に浴びると修行のような冷たさで、一日で一番つらい瞬間です(笑)。
蚊帳に入ってiPadでブログを書いて、20時に就寝といった生活です。

18時半頃に暗くなるので、暗くなってからは90分ぐらいしか起きていないことになりますね。
照明設備がなくて真っ暗ですので、
何かをやろうとする気が起きず、必然的に寝ることになります。
結果、毎日10時間ほど寝ることになります。

日の出とともに起きて、日の入とともに寝る、にかなり近い生活です。
自然のリズムで生活できる感じがして、非常に気持ちいい毎日を送ることができます。

ライフライン

山の中なので公共のライフラインはありませんが、以下のように生活をしています。

上水道:
 2キロ先の山から、湧水を引いてきて使っています。
 器用なサンドットさんが水道や蛇口をすべて整備しているため、普通の水道のように使えます。
 日本の水よりおいしい気がします。
 そのまま飲んでいますが、それでお腹を壊したことはありません。

トイレ:
 これまたサンドットさん手作りの水洗トイレです。
 排泄物は、サンドットさんが掘った巨大な穴に流れていって、
 山に住む微生物たちの力で分解されます。
 その巨大な穴は、底が土で水がしみこんでいくこともあり、
 満タンになってあふれたことはないそうです。

トイレ以外の下水:
 キッチンや洗濯で使用した水はそのまま流して土に返します。
 食べ物や汗、土などがただ混じった水が流れていきます。
 合成洗剤や、化学物質などを使用しないようにしているため、
 自然のものが自然に還っていくだけです。

電気:
 独立太陽光発電です。
 100Wのパネル1枚、カーバッテリー1個、1500Wのインバータが一つのシステムです。
 キッチンの4W照明と、カメラやスマホなどの充電に使用しています。

パーマカルチャーコース

1か月のうち、1日~10日の10日間は、
サンドットさんによるパーマカルチャーの授業と実技が行われます。
私も受講しました。
水をどうやって得るのか、土をどう耕すのか、エネルギーをどのように得るのか。
自然の力を生かしながら、いかに循環の中で生きるのかということを学びます。

写真は、授業の休憩時間にみんなでお茶を飲んでいるところ。

左から2人目がサンドットさんです。

私たちが行くサハイナン、雰囲気は伝わったでしょうか。
サハイナンに行ってもこのブログやFacebookで現地の様子をお伝えしたいと思います。

サハイナンの村長サンドットさんの名言 ~ Less is happier!

前回のサハイナンの滞在で、サンドットさんから多くのことを学んだ。
サンドットさんは、自然の中での暮らしがいかに”happy”であるかを
サハイナンでの共同生活の中で教えてくれた。

彼の体験に基づいた生きた言葉の数々は、
自分の中で「サンドットさんの名言集」となって心に残っている。
それらの一部をここで紹介します。

Work for food ! Not for money!
(お金でなく、食べ物のために働こう!)
 →食べるために働けば、必要以上に働きすぎることはない。

Wants is not needs !
(「ほしい」は「必要」ではない)
 →日本では、ほしい≒必要と考えていた。
  日本の店にいると、次々に「ほしい」が出てきていくらお金があっても足りない気がしてくる。

No needs to buy ! We can make anything !
(買う必要なんてない!なんでも作れるんだ!)
 →すぐに買える環境が、工夫する力を奪ってしまう。
  料理に使うかき混ぜ棒が必要になったときのこと。
  その場で竹を切ってかき混ぜ棒を自作してしまった。
  子どものようなキラキラした目でぼくらにそれを自慢しながら、
  この言葉を言っていた姿が忘れられません。

I’m a lazy farmer ! Not busy farmer.
(自分は怠け農家でいいんだ。忙しい農家にはなりたくない。)
 →市場に出すものを作ろうとすると、品質管理や農薬散布でどんどん忙しくなってしまう。
  自分たちのための作物を、いかに楽に作って生きられるかを考えているとのこと。
  実際、近所にも農薬をまいて忙しい農家さんがいるという。
  聞けば、その出荷先は日本だとのこと・・・

Less is happier !
(少ないほうが幸せだ。)
 →多くの便利できれいで素敵なものをみると、次々に欲が沸き起こる。
  結果、生活にお金がかかるようになり、お金のために働きゆとりを失ってしまう。

こんなサンドットさんの運営するサハイナン。
ここで生活をすることでこの価値観を、いかに頭だけでなく体感として理解するか。
これが今回のサハイナン生活の目標の一つです。
そして帰国後、この価値観を札幌版にアレンジしてパーマカルチャーライフを
実践することが、パーマカルチャー研究所の研究の大きなテーマです。

(この記事は、2016年12月2日3日のブログを再編集したものです。)

タイで長期滞在する場合のビザを取るときの注意点

2018年8月13日
村の中での子育て

密室での子育てと、村の中での子育て

2018年8月6日

この記事を書いてから、2年弱が経ちました。
タイで学んだパーマカルチャーの精神、簾舞の山暮らしの実践のベースとなっています。
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