1.暮らしていくための知恵をつけたい。
お仕事旅に出かけました。。
こんな暮らしをしているとたくさんの疑問や知りたいことが湧いてきます。
「冷蔵庫がない」ということだけで、我が家の暮らしにはたくさんの先人の知恵が必要になります。
「家族4人分の服を作る」ということだけで、生地を作る工程でたくさんの人の手や薬剤が使われていることを知り、日本の織物産業はどうなってるんだろうって知りたくなります。
いろいろ試行錯誤しても「雨漏りが止まらない」ということも、昔はどうやっていたんだろう?と思いを馳せるきっかけをくれます。
震災前、保育士の仕事をし、お給料をいただき、週末はそのお金でものを買ったり、旅行に出ていたあの頃とは違う興味や疑問がいつもある暮らしになりました。
なぜ、これは生み出されたのだろう?
どうやってこれはこのお店まできたのだろう?
一つ一つのもののルーツが気になるようになったんですよ、笑。
(ものが溢れてるので、外に出ると切りがないくらいの「ハテナ?」が、自分の中を駆け巡ってるのを感じます。)
なので外を出歩くのはそこそこにして、自分を取り巻くものを最低限にして、そのルーツだけは出来るだけ、知っていくようにしています☺️
2.和せいろ工房へ。
木曽ヒノキでわっぱのお弁当箱やおひつ、和せいろを作ってらっしゃる「曲物工房清水」さんにお邪魔しました。
ここ半年ほど、麹を作るために使う24センチ和せいろを探していたのですが、ほとんどがsold out。
我が家のせいろさんはとうとう底抜け、形も歪み、スノコも割れちゃいまして、蒸し加減が大幅に変わるという事態に。。
SNSをとおして「曲物職人清水」さんの工房を見つけ、連絡を取らせていただいたら、工房を見学させていただけることになったんですよ。
工房の扉が開いた途端にとってもいい香り。
目の前に飛び込んできたのは、和せいろや曲げわっぱの材料や道具たち。
それから、一つずつ丁寧に作られてる証だと感じるきなこのようになった木屑たち。
娘、その様子に職人さんの仕事場の空気を感じてびっくりわくわく。
何度も何度も部屋を見回して、眺めておりました。
曲げわっぱのお弁当箱にも興味を持った娘、直接触らせていただいて、「いいなあ、欲しいなあ。。」とぽろり。
私と同じ気持ちを感じてくれたようで嬉しくなりましたよ。
大切な製作中のせいろを少し触らせてくださいました。
私たちに体験させてくださったのは樺とじといわれる作業。
職人さんが一つずつ丁寧に開けられた穴に、これまた丁寧になめした山桜の皮を通して輪っかを閉じていきます。
このロープになる山桜の皮をこの薄さになるまで丁寧になめす作業も大変だとか。
(私も白樺を編もうとトライしたことがあるので、少しだけわかるような気がします。)
細い細い穴に丁寧に一つずつ紐を通してしっかり止めてゆきます。
芸術作品というより、しっかり使える生活の道具を作ってるとおっしゃる清水さんですが、一つ一つの丁寧な作業に見入ってしまいますね。
お二人とも優しい話し方をされる職人さんで、作られた蒸籠たちにもその想いが込められて作られているのだなあとこちらまで優しい気持ちになります。
かんなかけもさせていただきましたよ。
大工さんの使い方とは違う使い方をするそうです。
昔から愛用されているシンプルな道具の多様性ってすごいですね。
かんなを始めた触った娘。
「ほら、麺ができた!」、そうおっしゃる清水さんの言葉に娘もうれしそうに笑います。
体験はいろんな感覚を刺激してくれます。
娘も自分用の小さなせいろが欲しいそうです。
きっと清水さんたちの手からそのせいろが渡ってきたら、大好きなお料理がもっと好きになるのでしょうね(ちょっと考えようね〜😉)。
3.セイロのことあれこれ。
お聞きしたことと、私が調べたことが混ざってはいますが、セイロを大事にする扱い方も知りたかったので、学んだことを残しておきますね。
✴︎和せいろと中華せいろの違い。
「和セイロ」→餅を作るときのお米や、おこわを蒸すためのもの。
蒸気が逃げないように蓋が木でできている。
「中華せいろ」→中華まんなどを蒸すようなもので、蒸気が抜けるように蓋は竹で編ま
れていて、水滴が落ちにくくなっている。
✴︎セイロの扱い方。
毎回使う時に水をかける(底の焦げ付き防止)。
水に漬けたらダメになっていってしまうので、かけるだけで。
使い終わったら、また水をかけて洗う。
たわしで擦るのは良いが、摩擦が起こるので必要最低限の方がもちが良い。
界面活性剤の入った洗剤は、木に残った油を出してしまうので、注意。
ちなみに我が家はシュウマイを蒸した時もたわしで擦っておしまいです。
おすすめはお湯で洗うことだそうです。
煮沸した直後の瓶は乾くのが早いように、温かいほど乾くのが早いためよいとか。
ちなみに直射日光での保存を避ける理由も教えていただきましたよ。
乾燥するのが早くなるため、割れやすくなるそうです。
なんだかいろいろ学びになりましたし、とっても面白くて職人さんから購入させていただけるものならそれが1番だなあと感じました。
使い方も丁寧に教えていただけますし、この方が作ってくださったと思えば愛着もひとしお☺️。
最後は余談ですが、先人の知恵をこうして引き継がれてるって素敵なことだなあとまたしみじみ。
自然から与えられた人が生きていくための知恵ってすごいし、それを使うことができるようになると根っこの安心感を得られるような気がします。。
豊かな恩恵を与えられて私たちは生かしていただいているのだと、ここでもまた教えてもらいました。
日々を大事に、自分を大事に、自分の周りにいてくださる人、物、ことを大切に生きていたいなと思います。
職人さんが減ってしまった理由をお聞きしたら、国産品より安い便利なものが出てきて、技術を持った方々が閉業せざるを得なくなってしまったそうです。
それからもっと年月が過ぎ、曲げ物の良さを知って伝えてくれる人も減ってしまったから、値段で選ばざるを得ない人も増えたのだろうなあと想像しています。
4.和セイロは素晴らしい✨
ほとんど製麹ですが、和せいろ歴、8年。
セイロってすごいんです。
香りと綺麗な木目は天然の癒し。
そして用途はアナログの電子レンジの様。
冷凍ご飯もツヤツヤふわふわになるそうで、ご飯を温めながら、隣で野菜の上にしゃけを乗せたりして、おかずも作れるそうです。
冷凍うどんも野菜と一緒に蒸せちゃうそうです。
こちらもよきかも😉
パンを温めるために蒸す方もいますよね。
そして余談ですが、タイの山岳地帯在住の頃の朝ごはんは、よく、蒸し野菜でした。
かぼちゃやお芋をいれれば、それだけで主食もカバーできます。
あとは茄子やにんじん、キャベツやインゲンなど、藻一緒に蒸して塩や醤油、ポン酢でいただいたり、中華まんはもちろん、蒸しケーキや蒸しパンなどおやつにもなりますね。
山岳地帯のおやつに甘味をバナナでカバーしてバナナ蒸しパンなんてものもよく作っておりました。
今回職人さんのお話をお聞きし、やっぱり素晴らしい文化だと開眼(笑)してしまった私、和セイロ料理を少し研究して、その良さをお伝えできる人になろうと思います😉
曲物を愛する職人さんにお会いし、私もますます好きになってしまったせいろ。
24センチ和せいろの通常販売はないようですので、オーダーでお願いすることになりました。
新しい子に今から既にワクワク。
これからセイロライフを楽しみたいと思います☺️
「清水曲物工房」の清水さんを始め、職人さんの方々、素敵な経験をありがとうございました☺️
暮らしの中の「食べる」ということが、仕事にも、学びにもなる暮らし。そんな、暮らしと仕事が一体化した「遊暮働学(ゆうぼどうがく)」のライフスタイルで生きています。
「遊暮働学って何?」という方のために、無料のメール講座で、遊暮働学を解説しています。
下のフォームから、メールアドレスだけでも読むことができますので、興味のある方はどうぞ!