こんにちは、嫁です。
郷土料理が好きな私、今年も北海道名物、鮭の飯寿司(いずし)を仕込みました。
1.飯寿司ってなあに?
さて、簡単にお伝えしておきますね。
飯寿司は熟鮓(なれずし)の仲間で、お魚を使った保存食です。
今はお酢で味をつけて握った江戸前の握りなどの「早寿司(はやずし)」というものが主流ですが、
熟鮓はその起源にあたるもの。
塩漬けのお魚を、ご飯や麹などと漬け込んで、乳酸発酵させるんですよ。
お酢ではなく、その乳酸の力で腐敗を防いでいたこれを、昔は「鮨(すし)」と言っていたわけです。
今のお寿司は主食になりますが、こちらはお酒のアテやご飯のお供。
樽を付け込む期間は1週間のものから一年のものまで、その地域の文化により様々です。
私は今年も、一年かけて漬け込む「鮒寿司(ふなずし)」をはじめ、1週間ほどでできる「かぶら寿司」など、色々仕込んでニヤニヤしています笑。
毎年、仕込むたびに学びがあって面白いんですよね。
2.北海道の飯寿司ってどんなもの?
さてさて、北海道の飯寿司ってどんなものかと言いますと。
昔は「山漬け」という保存食があり、釣りたての鮭にたっぷりの塩をして、ずらりと積み上げ、鮭の重みで、塩漬けを作るという製法がありました。
今でも道東の方で作られていますが、昨今の冷蔵技術の進歩により、
しょっぱさが控えられた甘塩で作られている鮭が多くなりました。
昔はそんな山漬けをつかい、飯寿司を作っていたんですね。
それをまずは、塩を抜くところから作業が始まります。
3日から5日かけて塩を抜いた鮭を使って漬け込んでいきます。
付け込むお野菜の種類や、鮭を切る形や厚みは、家庭によって様々です。
キャベツや大根おろし、きゅうりやにんじんなどを、混ぜて付け込むお家もあれば、
この中の一つだけを使って鮭を多めに入れて仕込むお家もあります。
それから漬け込み方も違いがあります。
私は熊笹で包み込んで発酵させますが、熊笹を使わない方もいらっしゃいます。
お砂糖の力を借りて発酵させるお家もあれば、あまりお砂糖を入れないで作る方法もあります。
そうそう、鮭だけではなく、ニシンや、ハタハタ、秋刀魚(さんま)やほっけでも仕込むことができます。浜のお母ちゃんは貝を使ったり本当にいろんなもので仕込んでいるとしり、圧巻でしたよ。
3.飯寿司仕込みを伝えるにあたって。
さてさて、3年前の私。
飯寿司を仕込むにあたって、いろんな心配事がありました。
大家さんのばあちゃんに「飯寿司は当たると怖い」と聞いていたのです。
初めはお友達に教わりながら仕込みはじめた飯寿司。
漬け込み方は教わったものの、お魚のお漬物ですから、
「どう扱ったら腐敗を防げるか?」という疑問が湧き、どんな注意をすればいいのか、
手探りで研究しはじめました。
温暖化の昨今、どんな状態で熟成させるべきかをちゃんと知っておきたかったのです。
漁港のお母ちゃんに教わったり、お友達に教わったり、とうとう北陸まで飛んでいって
老舗のかぶらずし屋さんにかぶらずしまで習いに出かけました、笑。
そうして3年目の今年、
ようやっと要点が掴めて、人様にお伝えすることができました😊
やはり初めて仕込む時は、経験のある方に習うことをお勧めしているので、
細かいレシピはここにはのせません。
市販のものの中にはアミノ酸のはいっているものも出回っており、
手作りするのとは味が違うなあと感じるので、興味ある方はぜひ来年、習いにいらしてください😊。。
4.飯寿司を仕込む会にて。
今回の仕込みは、紅鮭(べにざけ)を使いました。
秋刀魚やイワシなどでも仕込んだことがありますが、
私はやはりシャケの飯寿司が好きです。
生魚を処理するという意味では、私はまだまだ素人のわたし、
今年仕込んださんまの飯寿司を、家族には花丸をもらったけれど、自己評価はまだまだ、笑。
初めの内臓などの処理の仕方をもう少し修行したいなあと思っていますので、
初めての方に私がお勧めするのは、断然鮭の飯寿司ですよ。
①鮭を捌く
鮭を捌いてる写真は、紅鮭ではなく新巻き鮭のものになりますが、
ご紹介しますね。
三枚おろしにしてから、スライスします。
新巻きの場合、骨や頭に身が残るので、削ぎ落としてシャケフレークを作るのが我が家流。それから最後にあら汁の出汁にして、出涸らしを粉砕してニワトリさんへ、無駄なく使います。


②熊笹を用意する。
この時期の熊笹は枯れはじめているので、端っこを少し綺麗にカットして、
綺麗に洗ってから使用します。

③野菜とご飯、麹を用意する。
野菜の切り方は様々です。
私は全て千切りにしていますが銀杏切りで仕込む方もいます。
色々食べ比べてみたいですね😉。

そうしてミルフィーユ状に仕込んでいきますよ。


今年は3段積めました😊

蓋をして、ひと月ほど熟成させていきます。

重石の掛け方、温度管理もいくつかコツがあるのですが、
お魚のお漬物はそこを押さえておくと美味しく漬かると思います😊
あとは、殺菌効果のあるお酒やお酢の使い方も。。
講座に来てくださった方には、
熟鮓のお話と共に、そんなコツもお話しできました。
心配を感じることもなく、楽しくつけてくださったと聞き、ホッとひと安心。
美味しく漬かりますように😊

今回はうちに来ていただくタイミングで、
たまたま自宅用のかぶら寿司や、へしこを漬けていたので
味見用にお出ししました。
へしこは北海道の糠さんまや糠ニシンと同じ原理でできています。
今はグッと、塩分濃度がさがっているので、違うもののようになっていますけれどもね。

スーパーに並ぶお漬物の中には、発酵していないものも多いので、
お漬物ってどういうものなのかをお伝えしながら、次の世代にも残していけたらいいなあと思っています。。
お漬物も梅干しも、お味噌汁も、食べる人が減っているとのこと。
30年後にはどんな食卓になっているのだろうなあと想像したりします。
食の多様化による楽しみもとても素敵なことですが、
和食の良さも残っていってくれたらいいなとしみじみと思います。
そのためには、お父さんお母さんが嫌いでないならば、
お漬物を食卓に並べて、こんな食べ物があるよって子どもたちにも知ってもらうこと。
植物性の乳酸菌は特に腸活にもいいそうですよ。
講座を通してそんなこともお伝えしていけたら嬉しいです。
今回はしっぽりと開催したので、講座後の懇親ランチ会の予定はありませんでしたが、
少し時間が残ったので、ちょっぴりお茶タイム。
この時間の心の交流がまた嬉しいです。
今回参加してくださったのは、ゆる自給ライフを楽しむアイスさん。
志が重なる方でとても楽しい時を過ごさせていただきました。
ご参加くださってありがとうございました🙏
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