2015年11月~2016年1月までのタイ暮らし。
約2か月半のジャングル滞在、ラスト二日となったこの日は、
エネルギーについての授業と、
お土産用の竹細工をやって指を二回切ってしまった一日でしたw
実働残り2日。
今日は日本にお土産として持っていきたい、竹細工をする。
朝食を食べていると村長さんから、今日のパーマカルチャーコースについての話が。
毎月10日間にわたって開講される、サハイナンでのパーマカルチャーコース。
今は1月のパーマカルチャーコースをやっている。
自分は12月に受講したので受けていない。
今日のコースの内容は、エネルギーと、ソーラーパネルについての座学。
村長さん、おれに、時間があればその授業の講師をやってくれないかと。
お、びっくり。
どうしようと思いつつも、こういうのは経験だから、やってみようと思い引き受けてみた。
なので竹細工の前に、まずは授業を。
で、授業と言っても村長さんから、まずはなぜ君がここにきたのかを
話してくれということで、長い自己紹介的な話からスタート。
内容は以下の通り。
学生時代、電気の勉強をした。
その時、エネルギー問題ということを学んだ。
3E問題というのがあって、energy, environment, economyの3つは、
全てをいいように成立させるのは難しいという話。
例えば経済を優先しようとすると、
エネルギーを大量に消費してしまったり、環境を破壊してしまったりする。
学生時代に受けたその授業では、どのようにエネルギー問題を解決したら
良いかまでは踏み込まず、問題提起にとどまっていたが、自分はそれを解決したいと思った。
その後エネルギー問題を解決したいという思いもあって、
電力会社に就職したが、解決には至らなかった。
電力会社を辞めてもう1年学生をやったが、その時の冬休み、
家族3人でタイに旅行に行き、タコメパイを訪れた。
タコメパイとは、村長さんがその頃運営していたオーガニックファーム。
サハイナンのような雰囲気のファーム。
タコメパイを訪れて、そこでの暮らしこそがエネルギー問題解決の方法だと思った。
それまでは、自分はエネルギー問題というのは、
何か新しいエネルギー源を開発することで解決されるものだと思っていた。
しかし、エネルギー問題というのは、単にエネルギーの問題ではなく、
自分たちがどう生きるか、生き方の問題なのではないか。
そして生き方を見直すことが、エネルギー問題解決の道なのではないかということに気づいた。
その時の滞在は、わずか1時間程度。
だけどその後3年間、ずっとタコメパイに行きたいという思いを持っていた。
そして育休をとった今年度、ついにチャンスが訪れた。
村長さんに連絡を取り、今はサハイナンにいるということで、
2ヶ月間サハイナンに滞在することにした。
2ヶ月間ここで暮らしてみて、やはりその思いは正しかったと思った。
トイレットペーパーや電気を使わない暮らしに慣れ、
それでも幸福度は変わらないか、むしろ増すことがわかった。
日本に帰ったら、この生活を日本流にアレンジして暮らしていきたい。
その後は、再生可能エネルギーの話、電力の話、電力量の話、
その時にスマホが4台充電されていたので、
電圧と電流を実際に測定して、使用電力を計算したりして授業を終えた。
1時間のつもりがトータル90分かかってしまった。
そして10時半、もうお昼ご飯準備タイム。
結局午前は竹細工をできなかったので、作業は午後に。
はしを作り、続いてスプーンづくり。
1ヶ月前、指を切った作業だ。
慎重にいこうと10分ほど。
細かく削っていくのだけど、竹が硬くてなかなかうまく削れない。
大きく不要な部分は、削るのではなくカットしてしまおうと、作業をちょっと変更したその時。
またやってしまった。
指を切ってしまった。
前回と全く同じパターンでのけが。
あれほどのけがをしてまだ学んでなかったことに悲しくなる。
しかし今回は、本当に小さい切り傷。
そういう意味では進歩したかななどと思いつつ、またバナナエキスをつけておいて作業再開。
でも30分後、またも同じけがを。
バカじゃないか、おれ。
でも今回は、指を切るには至らずにセーフ。
ここでようやく、どういう作業でなぜ指が切れるか、そしてどうすればそれを防げるかを理解した。
ナタで竹をカットしようとすると、狙ったところにはいかないことが多く、
スプーンのような細かいものを作っている時には狙いがずれて作品が傷ついてしまう。
だから切りたいところにナタを当てておいて、スプーンとナタをそのまま地面に叩きつけて切る。
こうすると狙いがずれない。
これを何度も素早く繰り返していると、
上に振りかぶった時にナタがスプーンからずれてしまうことがある。
そうするとナタが、スプーンを持っている左手の方に行ってしまい、
それに気づかずにそのままスプーンを切ろうとして指を切ってしまうというメカニズムだ。
(これって文章で伝わるかな?)
対策は、何度も素早くやるのではなく、一回一回、
確実にナタがスプーンに当たっていることを確認することと、
振りかぶった時に上に持ち上げすぎないこと。
三度のけがで、ようやくこのことに気づいた。
みんな、よく怪我せずにやっているな。
センスないなー、おれ。
そんなことで、今日作った作品の一部。
竹カップも作りました。
集中力が切れたのでやめにしたが、まだ3時半。
考えてみると、こんなにゆっくり過ごすのは久しぶり。
これまでは、常に仕事があって、それをやっているとすぐに1日が終わっていた。
それでも仕事がなかなか終わらないから、次の日はこれをやらなきゃ。
村長さんから突発的に頼まれる仕事もやらなきゃと、
暇な日を過ごしたことはあまりなかった。
一方で、1週間程度の短期の滞在者は、サハイナンシステムに慣れないうちに
滞在期間が終わってしまうので、仕事をするというよりは、
興味のあることを少し手伝ったりする程度で、時間的余裕はありそうに見えていた。
今回、初めて、サハイナン仕事とは全く関係ない、
自分だけのやりたいことをやってみて、けっこう時間的余裕があることに気づいた。
そして今まで、内容や出来はともかく、いつもちゃんと仕事をやっていたことに気づき、
自分が多少なりとも貢献していた実感を得ることができた。
そうか、いつも仕事が遅くて下手で、
情けない気持ちになっていたけど、色々とやってはいたんだと。
そのことに、仕事から離れてみて気づいたのでした。
さてサハイナンライフ、残り2日。
明日はうちらが作る最後のディナーということで、
妻のアイデアでジャパニーズフード、天丼を作ります。
午前は引き続き竹細工、午後は荷造り、掃除と天丼づくりかな。
明後日はサタデーマーケットで、その翌日が出発の日。
おぉ、終わりが迫ってきたよー。
(この記事は、2016年1月14日のブログを再編集したものです。)
この時は、カップ、はし、スプーンなどを竹から作りました。
我が家では、今もタイで作った箸を使ってます。
暮らしに必要なものを手作りできると、暮らしの自立度がアップします。
「自立的暮らし」については、無料メルマガ講座の中でも詳しく解説しています。
興味のある方は、下のフォームからご登録ください。
コメントを残す