世界的なエネルギー問題や、現代の忙しすぎるライフスタイルの問題は、パーマカルチャーの実践によって解決できる。
こう考えて、2018年の夏から自給自足の山暮らしを始めています。
先日、こんなツイートをしました。
目指していきたいこと
— 三栗祐己@パーマカルチャー研究所 (@PermacultureLab) December 1, 2019
・正しさよりも楽しさ
・製品よりも部品
・大規模よりも小規模
・チェーン店よりも個人商店
・外界よりも内面を
・ストレス解消よりもストレスのたまらない人生
・知識だけでなく体験や知恵も
・情報処理能力だけでなく情報遮断能力を
・理論だけでなく実践
目指していきたいこと
・正しさよりも楽しさ
・製品よりも部品
・大規模よりも小規模
・チェーン店よりも個人商店
・外界よりも内面を
・ストレス解消よりもストレスのたまらない人生
・知識だけでなく体験や知恵も
・情報処理能力だけでなく情報遮断能力を
・理論だけでなく実践
この記事では、このツイートをさらに詳しく説明していきます。
1. パーマカルチャーとは
パーマカルチャーとは、一言で表すと「持続可能な暮らし方」です。
パーマカルチャーは、地球環境と人(他人も自分も)、この両者にとっての持続可能を目指す暮らし方を意味します。
何をどうすれば両者にとっての持続可能が実現するのか。
これについては、「100人いれば100通りのパーマカルチャーがある」という言葉が示す通り、人によって考え方は様々です。
パーマカルチャー研究所で目指すパーマカルチャーの具体的な形は、「自立的暮らし」です。
現代社会では、食料・住まい・エネルギーなど、日々の暮らしに欠かせないものが、大規模なシステムやお金に依存していますよね。
暮らしに欠かせないものが、大規模なシステムやお金に依存しすぎると、災害時にパニックになる、暮らしの中でお金が第一優先になって、心の穏やかさが失われていくなどの弊害が起きてきます。
ですから、暮らしのお金への依存度を下げて、自立的に暮らしを作っていく必要があります。これが、パーマカルチャー研究所で目指すパーマカルチャーの形の一つ、「自立的暮らし」です。
2. 自立的暮らしを実現するために必要な考え方
では、どのように暮らしの自立度を高めていくのでしょうか。
この、暮らしの自立度の高め方を書いたのが、冒頭に紹介した考え方です。
これらの考え方を、3つに分類して紹介します。
2-1. お金の使い方
日々の暮らしはお金でできています。まずはお金の使い方を振り返ってみましょう。
※製品よりも部品
今は便利な時代なので、何か必要なものがあった時には、大抵それを解決する製品があって、それを購入すれば済んでしまいます。
だけどそれを購入することで、「暮らしの中の困った」はお金で解決するもの、という思考が強化されてしまいます。
それよりは、同じお金を使うなら、少しでも自立度を上げるべく、製品ではなく部品(材料)を購入して、自分で作ることを考えてみる。
一般的には製品を購入するよりも安く済むので、お金への依存度が低下する上に、自分で作ることで自立への自信がアップします。
※チェーン店よりも個人商店
パーマカルチャーのポイントの一つに、「多様性」があります。
チェーン店は、基本的にどこに行っても均一なサービスが受けられる反面、この多様性に欠ける面があります。
街や地域のその地域らしさという多様性は、チェーン店よりも、多くの個人商店(もしくは地元のお店)などによって作られます。
地域の応援したいお店で買い物をすることで、こうした多様性が守られることにもつながるのです。
※大規模よりも小規模
例えば農業を考えると、一般的に大規模農家さんは、規格内の作物を効率よく大量に作らなければいけません。
そのように作物を作るためには、大型機械、農薬、化学肥料をたくさん使わなければならず、それらが環境に悪影響を与える可能性が高くなってしまいます。
一方、小規模農家さん、もっと言うと家庭菜園レベルであれば、少量多品種の野菜を小さく作れる上に、そもそも規格が存在しないため、できた野菜は全て食べられます。
そのため、農薬や化学肥料に頼りすぎる必要がなくなる上に、それらの使用量は自分たちで把握することができます。
また、自然の力を最大限に生かせるような、様々な農法を気軽に試すこともできます。
野菜を買うときなどは、そうした工夫をしている農家さんを選んでいきたいところです。
2-2. 思考・精神面
日々の暮らしは、内面のあり方が投影されたもの。日々、どんなことを考えて過ごしているでしょうか。
※外界よりも内面を
政治や社会などの外界に目を向けると、ついつい悪いところに目がいってしまい「○○がこうだからよくない」などと批判的になってしまいます。
でも外界がどうであっても自分の内面が満たされていれば、結局は自分の幸せに繋がっていくでしょう。
以前、タイで大雨が3日間降り続いて、ひたすら家にこもるしかなかったことがありました。
その時は、スマホも持っていなかったし、本も持っていなかったので、3日間、自分で思考する以外にやることがありませんでした。
いつもは何か暇があれば、ついスマホや本を使って、外界に情報を取りに行きますが、この時はそういったものがなかったので、ひたすら自分の思考や感情をノートに書き続けました。
すると、自分の中での大事なもの、価値観が明確になって、スッキリした気持ちになりました。
情報過多の今の時代、外界よりも自分の内面を重視することが、穏やかさや幸せに繋がっていくことになるでしょう。
※ストレス解消よりもストレスのたまらない人生
以前のぼくは、学校や職場で勉強や仕事をがんばってストレスがたまり、そのストレスを休日の娯楽で発散する、そんな生き方をしていました。
だけどこれだと、どうしてもそのストレス発散方法が刺激的・刹那的になってしまい、それに伴ってお金も出て行きます。
仕事でお金を貯めているのに、ストレス発散に使う分で結局収支がトントンになってしまうことも。
ですが、パーマカルチャー研究所で目指している「遊暮働学」のライフスタイルでは、暮らし自体が仕事であり、遊びでも学びでもあるため、特にストレスもたまりませんので、ストレス発散のための娯楽を敢えてする必要もありません。
※正しさよりも楽しさ
価値観が日に日に多様化し続けている現代では、絶対的な正解・正しさのようなものがどんどん無くなっていっています。
一昔前までは、何が正しいか、どちらが正しいかを求めて激しい議論をするというやり方が話し合いのスタンダードでした。
ですが現代では、そもそも「正しいもの」というのが曖昧になってきています。SNSのシェア機能なども相まって、正しさの重要性よりも、楽しさ(ユーモア)の重要性が高まってきています。
さらに楽しさに加えて共感という要素も、正しさよりも大事な価値観となってきているでしょう。
2-3. 情報・知識や行動面
日々の暮らしは、情報と行動でできています。これらをどのように変えていくといいでしょうか。
※情報処理能力だけでなく情報遮断能力を
情報化社会の進展とともに、情報処理能力という力が重要視されるようになってきていました。
しかし技術の進歩により、1日に触れる情報の量は日に日に増えていき、もう情報処理では追いつかなくなっています。
意識的にスマホを遠ざけて自分に集中する時間を作るなど、情報遮断能力が必要に時代になってきています。
※知識だけでなく体験や知恵も
インターネットの発達により、情報が本当に簡単に入手できる時代になりました。
知りたいことは大抵、グーグルで一瞬で知ることができます。
一方で、体験や、長年の経験から得た知恵というものは、なかなか簡単には手に入らず、それらを得るには長い時間がかかります。
自立的暮らしをする上で本当に生きてくるのは、知識よりも、こうした知恵や体験です。
簡単に入手できる知識や情報で満足せずに、意識的に体験や知恵を習得するようにしていきたいものです。
※理論だけでなく実践
同様に、とにかく情報が次々に入ってくるため、どうしても行動が後回しになりがちで、理論・知識・情報が先行してしまいます。
何かわからないことがあると、手元のスマホで検索して、答らしいものが得られます。
本当は行動しないとわからないことも、その検索結果だけで知った気になってしまい、次第に行動するのが億劫になってきてしまいます。
行動を起こさないどころか、いざ何かをやろうとしても、そういった正しそうな理論ばかりに気を取られて、行動を起こすこと自体が怖くなってしまいます。
3. 理論だけでなく実践を
パーマカルチャーは、持続可能な暮らし方。
暮らしは、日々の行動から成り立っています。
つまりは何事も、実践しないと始まりません。
今回、9つの考え方を紹介しましたが、もっとも大事なことは、最後に紹介した「理論だけでなく実践」だと思っています。
実践から得られる経験や知恵こそが、持続可能な暮らしを作ると考えていますので、これからも色々なことを試し、実践していきます。