パーマカルチャーを始めたきっかけ

パーマカルチャー

以前、英語でパーマカルチャーに関するインタビューを受けましたので、
その時のお話を紹介します。
(英語でしゃべったものを、日本語訳してます)

なぜパーマカルチャーを?

-背景を教えてください。
 いつ、どうして、パーマカルチャーを始めましたか?

ぼくの専門分野は電気で、大学(北大工学部)ではエネルギー問題を学んでいました。
気候変動、地球温暖化、化石燃料枯渇など。
だけどそれらに対する解決はとても難しいです。
どうしたらこの世界的なエネルギー問題を解決できるのか。
長い間ずっと考え続けています。

こんなにエネルギーを使って大丈夫なのか

例えば、ぼくらは車に多くのガソリンを使います。
暖房のために多くの灯油を使います。
冬だと、1件の家庭で1か月200リットルほどの灯油を使ったりします。
たったの1件で、ですよ。
これってほんとに、大丈夫なの?
灯油とかガソリンとかって、どこからきてるの?
もちろん、世界のどこで原油がとれるかということは知っている。
だけどそれは、ただの情報でしかない。
実際にはどうなのか、ぼくは見たことがありません。

エネルギー問題解決に向けて

大学卒業後、ぼくは東京電力に就職しました。
世界的なエネルギー問題を解決したかったので。
だけど、2011年3月に、東日本大震災と原発事故が発生しました。
ぼくらはエネルギー問題を解決できませんでした。
むしろ、問題を大きくしてしまった。
原発事故で、放射性物質が拡散されてしまいました。

その1年後、ぼくは東京電力を辞職し、故郷の北海道に帰ってきました。
ぼくの夢の一つは、大学の教員になることでしたが、そのためにはもっと勉強が必要でした。
だから再び北大に入学して勉強・研究を行いました。
実際は、その1年半前(震災前)から社会人ドクターとして働きながら北大でも学んでいましたが、
社会人を辞めたことで、社会人学生から、純粋な学生になりました。
32歳ぐらいの頃だったと思います。
そして翌年の、函館高専への就職も決まりました。
念願かなって、高等教育機関での研究・教育活動を仕事にすることができたのです。

タイのパーマカルチャーファームで受けた衝撃

その1年間の学生生活のとき、学生で時間もあり、9年間働いた後だったのでお金もあったので、
家族で海外旅行に行くことを計画しました。
そのときは、6日間、タイへいきました。
タイには日本人の友達がいて、彼女はぼくらを、あるパーマカルチャーファームに連れて行ってくれました。
そこで大きな衝撃を受けたのです。
「世界的なエネルギー問題の解決策が、ここにあるじゃないか!
ついに解決策を見つけた!」
ファームのオーナーは、サンドットさんと言います。
彼は、エネルギー問題に対する、とてもシンプルな解決策を持っていました。
そのシンプルな解決策とは、シンプルな暮らし方です。
エネルギー問題は、単にエネルギーの問題ではなく、
ライフスタイルの問題なんだということが、わかりました。

サンドットさんファーム、そのファーム全体が、エネルギー問題の解決策でした。
これは衝撃的でした。
ファームのライフラインなどのシステムはとてもシンプルで、自給自足的でした。
もっと自然のエネルギーを使ってシンプルな暮らしをすること、このことがエネルギー問題の解決になる。
そのパーマカルチャーファームを訪れる前は、新しいエネルギー源を開発することがエネルギー問題の解決策だと思っていました。
だけどそれは、違うことがわかりました。
解決策は、ライフスタイルなんです。

ぼくはタイに行くまでは、サンドットさんのファームのことは知りませんでした。
そこに行ったのは、全くの偶然だったのです。
だけど偶然訪れたそのファームで、ぼくは人生を変えるほどの大きな衝撃を受けたのでした。

再就職後の育児休業取得により、再びタイのパーマカルチャーファームへ

日本に帰ってから、高専での仕事を始めました。
そのころぼくは、とてもとても忙しくなっていきました。
当時息子は5歳、娘は1歳でした。
妻は育児に疲れ切っていました。
ぼくも仕事が忙しく、疲れ切っていました。
高専での2年間、ぼくら家族はみんな疲れ切ってしまったのです。
そこでぼくは、育児休業を取得しました。
ぼくは仕事を辞めようと上司に相談に行ったのですが、その上司はぼくに育児休業を勧めてくれたのです。
タイのパーマカルチャーファームを訪れて以来、ぼくはずっと、
サンドットさんのところに行きたい、行きたいと思っていました。
そして育児休業の取得により、ついにそこに行けるチャンスがきました。
どうせ行くなら、長い時間行きたい。
ちゃんと学ぶには、1週間とかでは全然足りない。
ぼくらは長い時間をかけて、サンドットさんのところで学びたい。
彼がどのような考え、どのような生き方をしているのかを、頭だけでなく体で、感覚で理解したい。
数日だけの滞在では、ただの情報しかわからない。
だけどぼくが必要なのは、体験だ。
リアルな体験が重要なんだ。
そう思って、ぼくらは、2か月半という長い期間、サンドットさんのファーム、サハイナンに滞在しました。

パーマカルチャー研究所を始める

2015年、ぼくはパーマカルチャー研究所を始めました。
最初は、住んでいるアパートの前に段ボールでパーマカルチャー研究所の看板のようなものを作りました。
次の日は、家で名刺を作りました。
できることから始めていきましたが、その頃は、フィールドも何もなかったのです。

それから3か月後、運よくアパートから2Kmのところにとてもいい土地が見つかりました。
翌年、2度目となる、サンドットさんファームでの滞在をしました。

太陽とともに暮らす

そこで学んだ重要なことは、自然とともにあるライフスタイルです。
太陽とともにあるライフスタイル、すなわち、日没とともに寝て、日の出とともに起きる。
エネルギーをあまり使わない暮らし。
自然の中での暮らしという、有意義な体験をできました。
例えば家は、室内というよりは、むしろ屋外です。
もちろん屋根はあります。だけど壁は簡素なので、家の中を風が吹き抜けます。
自然の中ではとても快適でした。
自然と一緒、ぼくらの身体は、自然の一部だ、人間と自然は、一体なんだと感じました。
まさに自然との一体感という表現がぴったりの感覚でした。

「必要」と「欲」の違い

そこには自然以外には何もありません。
だけどぼくらは満たされていました。
そしてぼくらは、「必要」と「欲」の違いについて考えました。
「必要」とは何か。
「欲」とは何か。
ぼくらは、本当は必要なものしか必要でないはず。
だけどぼくらは、必要なものと欲しいものの違いがよくわかっていない。
ぼくらは、欲しいものを必要なものだと思ってしまう。
例えば、ぼくらはレストランに行きます。
お腹がすいているから、きれいな写真つきメニュー表の中から、たくさんの料理を選びます。
だけど、レストランに行かずに家で簡素なご飯を食べたとしても、生きていくことはできます。
レストランでの豪華な料理は、必ずしも「必要」ではありません。
家で食べる簡素なご飯が、「必要」なものです。
サハイナンに行って、そのことが体感として理解できました。
それ以前は、おなかがすいたからという理由で、しょっちゅう外食をしていました。
でも必要というわけではないんです。
お腹がすいたら、家でご飯を食べればいいのです。
必ずしも、外食をする必要は、ないんです。

(つづく)

家族

パーマカルチャーを始めて暮らしがどのように変わったか

2018年4月24日

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