以前、英語でパーマカルチャーに関するインタビューを受けましたので、
その時のお話を紹介します。
(英語でしゃべったものを、日本語訳してます)
本記事は、インタビュー記事その4です。
その1、その2、その3はこちら
その1
その2
その3
■目次
パーマカルチャーを始めるきっかけとなった一番大きなことは何ですか?
タイのサンドットさんのファームです!
本は少し読みましたが、そんなに多くはありません。
きっかけはやっぱり、本よりはタイですね。
ただここは気候や文化など、さまざまな部分がタイとは違いますから、
学んできたことを、ここに合うように調整する必要があります。
だからそのために、本を読んではいます。
例えば、タイはとても暑いですが、ここはとても寒い。
水に関しても、例えばサンドットさんのファームでは、
水は山から引いてきていましたが、ここではそういうことができそうにないので、
井戸の掘り方を本で学んでいます。
それはタイでは学びませんでした。
自然を生かし、自然から学ぶという基本的な考えは、
サンドットさんのファームで学びましたが、個別の技術ややり方は、自分で色々調べて試しています。
ドラム缶風呂もそうです、タイにはお風呂の文化がありませんから、
ドラム缶風呂ももちろんありませんでした。
ですからここでは、色々自分で試しています。
ここで過ごしていれば、自然と色んなアイデア、というかやりたいことが浮かんできますよ。
パーマカルチャー研究所の、このオフグリッド生活実験フィールドの特徴は何ですか?
山が近いことですかね。
この山は、藻岩山といって、観光スポットにもなっています。
山の栄養のおかげで、多くの野草が生えています。
例えばフキとか。
これはたくさん食べられます。
ワラビも。
植える必要も、育てる必要もないんですよ。
これは嬉しいです。
天候について言えば、ここは雪がたくさん降ります。
こういう暮らしをしようとすると、雪はなかなかやっかいですね。
とても寒いですし、雪は2メートルぐらい積もるんじゃないかな。
でもここでは、作った小屋を雪で覆って、雪断熱をしますよ。
そうすると、中のストーブの熱が、外に逃げにくくなる。
そう、その雪のおかげで、内部はゼロ度を下回ることはありませんでした。
もし雪がなければ、熱が外に逃げてしまうので。
そう、これは自然素材の断熱材なんです。
そして、春になれば、その断熱材は不要になる。
するとその断熱材も、解けてなくなっちゃうんです。おもしろいでしょw
ここ北海道の最も特徴的なのはやっぱりその寒さと雪であって、
風とか太陽については、それほど日本のほかの場所とは変わらないんじゃないかな。
このフィールドの自然の特徴みたいなものは、自分で感じて学びました。
そんなこと難しいという人もいますし、自分も最初はそう思ってました。
だけどここで長い時間を過ごしていれば、自然にいろんなことがわかってくることがわかりました。
だから、本からだけではなく、自然からも、滞在することによっていろいろと学べると思います。
どのようにこの土地を見つけたんですか?
不動産屋さんが紹介してくれたんですけど、
元々、ぼくは大工の技術を学びたくて、小屋づくりワークショップに参加しました。
そのときの講師がとてもいい人で、ぼくは彼に、
パーマカルチャーを実践するための土地を探していることを相談しました。
そうしたら、その不動産屋さんを紹介してくれて、その方が2週間ほどで見つけてくれたんです。
とてもいい場所でした。
アパートからたったの2㎞、子どもたちが通う幼稚園からも2㎞なので、
普段の生活圏内にその土地があったんです。
アパートから車で1時間以内ぐらいのところに見つかればいいなと思っていたので、
そこは立地的にも予算的にも、本当に最高でした。
人生最大の強運だったと思います。
だからぼくには、神様が、「もっとあなたの考えを広めていきなさい」と言っていると感じたんです。
この場所(オフグリッド生活実験フィールド)は、農園と呼べばいいのですか?
ぼくはフィールドと呼んでます。
農園、という感じではないですね。
農園は、作物を育てることがメインのニュアンスなので。
ふきなどの野草がたくさん見えますよね。
この土地を手に入れた時、ここは完ぺきに野生の草、特にクマザサに覆われていました。
これを全部、自分で手ガマで刈ったんです。
だから思い出深いですよ。
ここを切り開くには、草刈り機が必要だと、大型機械で木を切り倒さなきゃ、と言った人もいました。
だけどその必要はありませんでした。
タイの人たちも、機械をほとんど使わずに、ほとんどの作業を人力でこなすんです。
ちなみにそのとき刈ったクマザサは、駐車場に敷いていますよ。
クマザサを敷かないと、そこは泥だらけになるんだけど、
そのクマザサのおかげでいい感じの駐車スペースになってます。
このフィールドは、小鳥がたまにきて鳴いているし、昆虫も小鳥もかわいいですよ。
クモでさえもかわいく思えるときもあります。
でもアリは好きじゃないので、ハウスの中に入ってきたらたたかいますw
シカがくることもあって、キツネも見えることがあるな。
朝は、山全体から森の匂いがするんですよ。
だからここで寝て朝起きるのが、とても楽しいです。
山の空気に包まれて、とてもいい香りがしますから。
住んでいるアパートはとても安全でいいですけど、こっちはとてもおもしろいです。
子どもたちも、ここに泊まるのが好きなんです。おもしろいということは、とても大事なことですね。
(つづく)
この記事を読むと、土地があるとパーマカルチャー的暮らしがやりやすい、
というイメージを持つかもしれませんね。
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